名称 |
生まれた年代 |
団塊世代 |
1947~1949 |
団塊ジュニア世代 |
1971~1974 |
ゆとり世代 |
1987~2004(※) |
さとり世代 |
1987~1995(※) |
Z世代 |
1990年代中盤~2000年代終盤(※) |
注釈 |
※はいずれも諸説あり |
こんにちは、アサヒ総研の金井です。日本の職場で活躍する「世代」を、一覧にしてまとめました。
これだけ多様な世代が集まれば、ジェネレーションギャップが発生するのもやむを得ないでしょう。ジェネレーションギャップが深刻な問題になっている会社も、あるのではないでしょうか。
職場でのジェネレーションギャップの“あるある”を、一覧にしてまとめます。“あるある”の傾向を分析し、その解決法を探りましょう。
職場のジェネレーションギャップ“あるある”一覧

大前提として、考え方や感じ方は人によって違います。“あるある”が、誰にでも必ずあてはまるわけではありません。しかし、考え方や感じ方には、世代によってある程度の傾向があるでしょう。
○残業する=仕事を頑張っている
○残業しない=仕事を頑張っていない
例えば団塊世代の人の中には、今でもこのような考えをする人が多いようです。逆に、団塊ジュニア・ゆとり・さとり・Z世代からすれば、残業は「仕事ができないこと」の象徴かもしれません。
(上司→部下)ジェネレーションギャップ“あるある”一覧

団塊世代→団塊ジュニア・ゆとり・さとり・Z世代への、ジェネレーションギャップ“あるある”を紹介しましょう。
○有給休暇を躊躇なく使う
○出社時間がギリギリで退社時間はジャスト
○具合が悪いとすぐ帰る・休む
○質問・連絡などをすべてSNSで済ます(近くにいるのに話しかけてこない)
○フロッピーやFAXを知らない
○会社の固定電話に出たがらない
○紙ではなくスマホでメモする
○アドバイスが響かない(議論や揉めごとを避ける)
○休憩時間にワイヤレスホンをして寝ている
○上司の誘い(酒席など)を簡単に断る
(部下→上司)ジェネレーションギャップ“あるある”一覧

ゆとり・さとり・Z世代→上の世代への“あるある”を紹介しましょう。
○仕事に命を懸けている
○昇進・昇格に命を懸けている
○時間外労働を苦にしない
○パワハラ傾向がある
○会社の人間と朝から晩まで一緒にいる
○飲みニケーションを強要してくる
○議論が大好き
○ミスを指摘すると怒る(場が凍る)
○業務でSNSを使わない
○印鑑を斜めに押す
職場でのジェネレーションギャップはなぜ起こる?

生まれた年代によって、育った環境(社会状況)が違います。特に、経済的な繁栄状況がまるで違うのがポイント。
○貧しい環境で育ったのか
○豊かな環境で育ったのか
この2点が、決定的に違うのです。
「どの世代の価値観が正しく、どの世代の価値観が間違っている」という問題ではありません。どの世代の価値観にも、育った環境に基づく常識や正義があるでしょう。
対立軸 |
事例 |
仕事重視vsプライベート重視 |
「仕事に命を懸けているvs有給休暇を躊躇なく使う」など |
会話重視vs文字重視 |
「業務でSNSを使わないvs質問・連絡などをすべてSNSで済ます」など |
自己主張主義vs協調主義 |
「議論が大好きvsアドバイスが響かない(議論や揉めごとを避ける)」など |
“あるある”一覧から、以上3つの対立軸が透けて見えてきます。それぞれについて、その背景を分析しましょう。
仕事重視かプライベート重視か

「仕事を重視してこそプライベートが充実する」と考えるのが団塊世代。「プライベートを充実させるための手段が仕事(でお金を稼ぐこと)」と考えるのが、それ以外の世代でしょう。
団塊世代には、60~70年代の日本が貧しかった頃の記憶が、色濃く残ります。仕事を軌道に乗せて安定的な収入を得ることに対する意識が、他の世代に比べて圧倒的に強いのかもしれません。
それ以外の世代は、日本が豊かな国になってから生まれ育った世代です。命がけで仕事をしなくても、とりあえず飢え死にすることはないわけですから、プライベート重視に考えが寄るのは自然でしょう。
会話重視か文字重視か

団塊世代は対面でのコミュニケーションを好みますが、それ以外の世代は文字でのコミュニケーションを好みます。携帯電話(スマートフォン)の普及が大きく影響しているのは、間違いないでしょう。
携帯電話のない環境で育ったので、団塊世代は相手の顔を見ながら、会話でコミュニケーションを取らざるをえませんでした。若い世代はSNSが普及した環境で育ったので、手っ取り早い連絡手段として、文字だけでコミュニケーションを取るのが上手です。
自己主張主義か協調主義か

団塊世代 >> 団塊ジュニア世代 > ゆとり・さとり・Z世代
自己主張の強さを、符号で表してみました。若い世代から見れば、団塊世代の自己主張は、非常に強いと感じます。逆も然り。団塊世代から見れば、若い世代は自己主張が弱いと感じるようです。
生き残るのに必死だった世代は、生き残りの手段として、自己主張をせざるをえなかったはず。逆に、周囲の人間と協調関係を築くことで自分の安全を図るのが、若い世代の処世術なのかもしれません。
職場でのジェネレーションギャップ解決法

職場にジェネレーションギャップはつきものだと、認識することが大切です。「仕事を重視してこそプライベートが充実する」と考えるのが団塊世代。「プライベートを充実させるための手段が仕事(でお金を稼ぐこと)」と考えるのが、それ以外の世代でしょう。育った環境が違うので、世代によって価値観が違うことを、お互いに理解し受け入れましょう。その上で、以下の3点に気を配ると効果的です。
○ルールをつくる
○雰囲気づくりをする
○お互いを尊重する
ギャップがどうしても埋められない場合、世代を問わず守るべきルールを明確にし、文章化するとよいでしょう。言葉遣いや出退勤時間に関するルールづくりは、特に有効です。
会社においては、上司より部下の方が立場的に弱いのは、疑いようがありません。若い世代が職場で萎縮し仲間内だけで固まらずに済む環境を、上の世代の人間が進んで構築するよう努めましょう。
若い世代が豊かな生活を享受できるのは、上の世代が必死に働いてその礎をつくってくれたおかげです。この点を意識すれば、若い世代は自然と上の世代を尊重できるようになるでしょう。
お互いに歩み寄る姿勢を持つことが、お互いを尊重する雰囲気につながり、働きやすい職場にもつながるのではないでしょうか。
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